A Photo Story
The Fall
Of The Champion
勝つことに慣れすぎた夜。笑っていた王者は、気づいたときにはもう逃げ場を失っていた。
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Opening
無敗のベルトは、
彼女の慢心まで照らしていた。
歓声の中心に立つことも、挑戦者を見下ろすことも、もう彼女には当たり前だった。何度も勝ってきた夜と同じように、この日もまた自分が最後に笑うと信じている。その確信が、ほんの少しだけ守りを鈍らせる。
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Pressure
先に当てる。
先に怯ませる。
踏み込む足も、伸びる拳も、迷う気配がない。勝ち方を知りすぎている動きは美しい。ただ、その美しさに酔いはじめた瞬間から、試合は少しずつ裏返っていく。
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たった一度の取りこぼしで、流れは完全に裏返る。余裕を見せていた王者の顔から、はじめて焦りが消えなくなる。
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Locked
ほどこうとする指先ほど、
遅れていく。
つかまった瞬間、彼女はやっと自分が後手に回ったことを知る。必死に外そうとする両手も、軋む首筋も、もう一手遅い。慢心は、こういうかたちで返ってくる。
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Contact Sheet
Rise. Rule. Slip. Fall.
勝ち慣れた顔から、逃げ場をなくした顔へ。ページ全体を一本の流れとして読み切れるよう、写真の並びを物語順に組み替えた。
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